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『……頼さんっ?!』  俺は声を裏返しながら急いで頼さんの元へ行き、その両肩を掴んだ。  頼さんに何かあったら生きていけない――――。  けれど、抱き上げた頼さんは目を閉じてリラックスしていて、更にはすやすやと穏やかな寝息を立てていた。  寝ている――――。  余程疲れていたのだろう。頼さんは穏やかな眠りについていた。  そのあまりに突然の眠りに驚くと同時に、俺の心は幸福感で満ちていった。俺の傍でリラックスして眠ってくれていることが嬉しくて、こうやって肩を抱けることが幸せで、初めて見る寝顔の幼さに胸が疼いた。  俺は頼さんを介抱する間、幸福感で満たされる一方で途方に暮れてもいた。何せ俺は送っていくにも頼さんの家を知らないし、母がいる俺の家に連れて行く訳にもいかない。  仕方なしに、酔い潰れた同僚を連れたビジネスマンという体でビジネスホテルにチェックインした。たまたま空いていた部屋がダブルしかなかった、それだけなんだけど。  何だか下心がある行動のようになってしまっていた。頼さんが起きたら嫌がりそうで、俺は不安で不安で仕方なかった。
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