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浅見は決して俺を傷つけるような抱き方はしなかった。
それこそ処女を抱くように丁寧で優しい愛撫で俺を慣らした。暴力で征服することだって可能だったろうに、恋人にするような甘い行為にはもう参ってしまった。
キスも甘くて。身体中を這う舌も指も優しく甘くて。
それとは逆に中に入ってきた浅見は熱くて、激しい腰使いに乱されて――――。
俺ばかりが絶頂に達して、バカみたいに喘いだ。
そう、信じられないくらい俺は淫乱みたいに――――
今まで築いてきたものが全て崩れていった。
刑事としての自分も、10も年上である自分も、上司としての自分も、男としてのプライドも。
事が済んだ後、俺は痛みを堪えてベッドから飛び起き、浅見に吐き捨てるように言った。
『もう二度と俺に近付くな』
振り返りもしなかった。剥ぎ取られた服を急いで拾い集めて着替えて、浅見を一瞥もせずに立ち去った。
浅見の表情を気にしてる余裕なんてなかった。俺自身がボロボロだった。心も身体も痛かった。
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