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 結城部長の言葉に思わず目を見開く。 「……こっちに来るって……結城部長が出張捜査でここに来るってことですか?!」 『ああ、そうだ。そっちの署に対策室ができるからな。しばらくはそっちのホテル住まいだ』  結城部長がそう言って、少し無言になった。  俺にはわかる。そういうときは笑ってるんだ。声には出さないけど、優しく微笑んでいる。 『……久しぶりに一緒に捜査できるな』  結城部長の優しい声色が、つらかった。  俺はギュッと唇を噛み締めた。昨日までの俺なら、嬉しくて嬉しくてガッツポーズの一つも出たかもしれない。  どうして、どうして、こんなときに――――。  結城部長が嬉しそうに他の人にはわからないくらいほんの少しだけ声を弾ませたのが、堪らなくつらい。  浅見に抱かれた自分を見られたくない。  例えそんなことは誰も気付かなかったとしても、結城部長にだけは――――。
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