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「……バカだな。おまえほどの刑事バカはいないっての。頭冷やして月曜からまたバリバリ働け」
呆れたように眼鏡の奥の目を細めてそう言った田中係長に、俺は深々と頭を下げた。
騙しているようで心苦しかったけれど、これから仕事に身が入らないのは明白だった。頭を冷やす時間を与えられたのは正直ありがたい。
隣にいる武川の方にも向き直り、俺は頭を下げた。
「……ごめんな、武川。迷惑かける」
「全然。逆にすみません。俺はいつも土日のどっちか休んでますし」
そう言って笑ってくれた武川にも救われた。
何だかズル休みの言い訳ができたみたいで、俺は申し訳ない気持ちもありつつホッと安心したような複雑な心持ちだった。
モヤモヤする頭を抱えながら帰り支度をしていると、聞き覚えのあるよく通る声が響いた。
「失礼します!!」
――――浅見だ。
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