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落ちこぼれの連中が俺に集った。俺が殴り返さないのをいいことに、散々殴り恐喝した。
そいつらは少しでも金を渡せば一時満足するのだけれど、平気で金を渡せる経済力も嫌味ったらしくて気に入らないらしく、またぶん殴られる。
俺が親に告げ口したりしなかったのも、そいつらの行為をエスカレートさせた。要求する金額はどんどん上がったし、服に隠れて見えないところばかり執拗に殴った。
俺のことを“告げ口する勇気すらないヘタレ”とか思ってたみたいだけど、違うよ。ただの俺のプライドだ。絶対親に頼らないと決めた以上、それは守る。
それにね、俺はずっと頭の中で軽蔑し続けてたんだ。俺をいじめてるヤツらの程度の低さに笑いが込み上げてきそうだった。努力もしないで他人を呪うなんて、愚か者のすることだ。
俺の存在なんてただの金づるで、ストレスの捌け口だったのだろう。
どうでも良かった。多少の痛みも忘れるくらい勉強してやるから。そうすれば、こんな落ちこぼれたちとは高校卒業と同時におさらば。俺は勉強して、絶対にこんなヤツらが行けない大学に行くからね。
つらくなんかなかった。
俺の努力は俺が知っているから。
自分だけが知ってるんだから、構わない。
俺はただ、全て気付いていながら父の敷いたレーンに乗ってあげればいい。
そうだよね――――?
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