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いつの間にか諦めてしまっていたんだ。
あまりに親に頼りたくなくて。頼るような親でもなかったけど。
俺は孤独でがんじがらめになっていた。信じられるのは自分だけで、まるでこれからずっと一人で生きていくみたいに、がむしゃらに誰にも頼らず知識と体力を身に付けた。
そう、俺は誰にも負けないくらい努力して――――
――――何のために? 誰のために?
あれ、自分のためだったんだよね? あれ、でもこれじゃ父親の思うつぼ? 優秀であれと願ったのは俺じゃなくて父親だったんじゃなかったっけ? いつから俺が望んで自ら勉強したりするようになったの? いい大学に入っていいところに就職するのは、誰の願い?
「……何やってんだよ」
あなたは突然現れた。
そのときの声を、俺は忘れることができない。
よく響く、自信に満ち溢れた強気な声だった。
見ず知らずの俺を救うために、あなたはやって来た――――。
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