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「…………痛いよ、全部」  やっと言葉が出た。これは紛れもない本心。 『……やっぱり……。本当にすみませ……』 「…………違うよ。身体だけじゃない……」 『頼さん……』 「……めちゃくちゃなんだよ!! 俺の心が、めちゃくちゃに引っ掻き回されてるんだよ……!!」  一度言葉にしてしまったら、止まらなかった。 「……どうして?! どうしてあんなことしたんだ?! どうして……どうして……俺を抱いたりした?!」  感情がやっと言葉になって溢れ出した。  塞き止められていた濁流が限界を超え堤防を壊すようだった。止めることのできない激情が何もかも飲み込んでいく。 「……俺は……俺はっ…………何だかんだ言っても……おまえのことを信じていたのに……」  変わってしまった浅見は怖くもあったけど、やっぱり懐かしかった。5年前の記憶はすぐに戻ってきた。  浅見は確かに変わった。  だけど少年の頃の面影も見えた気がしたから。  だから、俺は――――
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