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ルーレットのディーラーがあたりをキョロキョロを見わたしても、いるのはお客とバカラやブラックジャックのディーラー仲間たちだけだった。
そのディーラーはあわててバニーガールたちを探そうとした。
もしかしたら、バニーガールたちも、彼のように。
そう不安がよぎったが、目の前の赤い顔をしたお客は、ディーラーを引き止め、次のルーレットを回すようにうながすのだった。
うーん、見た目はものごしのやわらかなお客だけど、ずいぶんとホネのありそうな、いやナンコツのあるお客さんだ。
そうだ、ぼくは、ディーラーだった。
ディーラーとしての仕事をはたして、しっかりとお客さんを楽しませる。
このカジノを楽しい夢のある空間にする。
そうやって自分にかせられた役割をきちんと果たすことが、大事なことであり、そうすれば彼もきっとまた。
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