店番

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 今の時代、駄菓子屋が次々と潰れていると聞く。  駄菓子屋だけではない。  商店街に並ぶ昔ながらの店──不変と思われていた軒先に目立ち始めたシャッターと、「閉店しました」の貼り紙。  酒井屋も、その変化の波に飲まれてしまったのだろうか。  僕は吸い込まれるかのように酒井屋に近づき、シャッターの向こう側にある暗い隙間を覗き込んだ。  お菓子がたくさん並べられていた陳列台は、がらんとしていた。  入り口すぐの所に置かれたアイスの冷凍庫はカバーが掛けられ、忘れ去られた仏像のように鎮座しているだけで、最早子供の興味を引く面影もない。  奥には、ガラス戸越しに薄明かり──人のいる気配はほのかに感じた。
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