紙の本はオワコン

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紙の本はオワコン

 はい、このタイトルを見て回れ右しようとした読者諸君。 ちょっと待ってほしい。 私の主張を聞いてほしい。 『紙の本はオワコンである』 ……だから読むのをやめようとしないで! 三分だけ! 三分だけ時間ちょうだい! ……ほえ? 三分だけなら良い? しめしめ騙されやがって……。 え? いやいや、なんでもないですよー?  では改めて、なぜ紙の本がダメなのかを話していこうと思う。 まず、場所をとる。 私の部屋は狭いのだ。 すぐに部屋が本で埋め尽くされてしまう。  また、冊数が多くなると行方不明になる本も増える。これも問題だ。 次に、文字が小さく見にくい。 まあ、これは本にもよるし全てに当てはまるわけではないが。 最近私は老眼がひどいのだ、悲しいものである。  あとは、栞を挟まないとどこまで読んだか分からなくなるのも面倒だ。 栞を挟むという行為に、情緒を見出す読者の方もいるかもしれない。 だが私はリアリストなので、そのような考えはごみ箱にぽいぽいなのである。  そして最後に、これが紙の本をオワコンと言い切る最大の理由だ。  紙は劣化する!  はいこれである。 新品の頃からは考えられぬ劣化。 白く、張りがあった(はだ)は、やがて浅黒く、しわしわに変貌するであろう。 そう、まるで結婚当初は美人で若かった妻が、段々と残酷な時の流れに抗えなくなってきて、 見るも無残なしわしわおばちゃんになってしまうかのように! 私はそれに耐えられないのだ……。 ちなみに結婚を例にしたが、私は未婚である。ついでに童貞。  長々と紙の本の欠点を羅列してきたが、では電子書籍はどうか? 簡単なことだ。 電子書籍は場所は取らないし、文字は拡大できるし、栞も自動で挟んでくれる。 そして!  電子(データ)であるが故劣化しない!  さながら歳をとらない美人アンドロイドの妻を娶った気分である。 はい電子書籍最強。  だが、こんな電子書籍至上主義の私に最近、由々しき事態が発生している。 それを皆に聞いてほしいのだ。 え? もう三分経ちそうだ? うーん、じゃああと五分追加で。
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