17 ダンデライオンの町

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17 ダンデライオンの町

 舞い降りる迷彩に彩られた黒鉄くろがねの機体  駆け寄る自衛隊員  重厚感ある扉が開く 「頭を低くして降りてください」  私は、S県A町の大地にゆっくりと足を着地させる。  自衛隊の人は、私が降り立つのを補助してくれる。  私は、身を低くして黒鉄の機体、多用途ヘリUH-1Jヒューイから離れ行く。  後に続くようにして郡山が、黒鉄の機体から離れていく。  自衛隊員は、私達二人を補助する形で、機体から安全な場所まで誘導してくれた。  安全な場所まで離れると、自衛隊の人たちは、互いに合図して、黒鉄の機体を操縦する者に離陸の合図を送る。  そして、ヘリはゆっくりとその巨体を前のめりにして持ち上げた。  上昇していきながら、操縦士は私と郡山に手を振ってくれた。  短い飛行時間だったが、彼からしたら、無事安全に目的地に送り届けたことで安堵し、そして、別れの挨拶を私たちに贈ったのだろう。  だが、それでも私たちはその挨拶を嬉しく思う。  だから、私たちも安全に送り届けてくれた感謝のしるしとして、手を振ってあげることにした。  操縦士の顔から白い歯が見えた。  笑っている。  操縦士は、笑顔で飛び立って行った。     
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