24 キプリペディウム・ジャポニシウム(闘志)

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 ウルズは拈華微笑能力で、人の目には見えない無数の白い糸を頭から出して、前倣(まえなら)えの姿勢で自衛隊に探りを入れています。 「紫苑様、どうやら敵は近距離無線通信機なるものを使うみたいですね」  それを聞いて、ヴェルも両手を前倣(まえなら)えの姿勢にして目を閉じます。 「ご主人様、敵はこちらの世界でいうbluetoothというやり方で交渉しようと考えているようだ。考えるもんだな、この通信方法なら外部の傍受がやりにくくなる。他国からの傍受を無くし、国としても交渉事事態は、国民には秘匿に出来る」  ヴェルはサイコキネシスで量子から動かせることが出来ます。そしてその物質が量子の領域から何であるかを理解する能力でもあります。その能力により敵が何を持っているかが判るのです。  三乙女の次女として前の主から創られたヴェルはサイコキネシスの能力によって、三女のスーと一緒に何かを造ることもできれば、ウルズに敵の武器等の戦力にかかわるものを索敵する能力で教えることが出来るようになっています。  前の(あるじ)はウルズやスーのように特化した乙女を創って、それを補佐する乙女を次女としてヴェルを創っていました。  ヴェルの特殊能力は、物質を動かすだけでなく、物質そのものを理解できる能力迄も兼ね備えているわけです。  そして、今、国が交渉に向けて秘密裏に紫苑たちと交渉しようとすることを事前に察知できたのでした。    しかし・・・  しかし、紫苑は国が今回の交渉を秘匿にする事が気に入りません。  復讐の始まりは全てにおいてこちら手動。  それが彼の思惑。  そして、計画の第1段階。  第1段階はひとつの狂いもあってはならない。  彼は、(おの)が魂に向かって呟きます。 「秘密になんてさせない」     
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