25 牡丹が花開くとき

1/8
82人が本棚に入れています
本棚に追加
/630

25 牡丹が花開くとき

 アマランスの中ではヴェルが低い声で元の眠たい口調で紫苑に話しかけます。 「ご主人様、こんな感じでいいか?」  紫苑はにっこり笑ってヴェルを見つめていました。  満面の笑みで迎える紫苑がヴェルの瞳に映えます。 「上出来です。ヴェルさん。なかなか迫力がありましたよ」  そう褒められてヴェルは頬を赤くして嬉しくなります。 「そ、そうか?」  優しくニッコリと信頼の笑みを浮かべる姿。  彼女はその笑顔で思い出すのです。  昔日の思い出がヴェルの中で蘇ります。 前のご主人様 優しく微笑むその顔 頭を撫でられるヴェル 彼女の瞳、僅かばかりの涙が浮かび上がる その涙は誰も気づかない その位の僅かな涙 重なる紫苑と前の御主人様  なんだか、紫苑に褒められているというより、ヴェルは前のあるじに褒められている気分でした。    ウルズは紫苑に褒められて赤くなるヴェルに少し焼きもちを焼きます。 「ヴェル、私がアマランスに指示したり、拈華微笑能力で交渉人を見つけなかったら最後のとどめは出来なかったでしょうね。感謝しなさい」  紫苑はやばいと思いウルズを誉めます。
/630

最初のコメントを投稿しよう!