アクトーの記録書

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 手渡された洋風な本を開くと、あら真っ白。パラパラと捲っていくが、どのページも明らかに真っ白だ。 「……これをどうしろと?」 「チョメさんには記録係を命じます!」 「これチョメ様の衣装ね!」 記録係?衣装?漫画のように私の頭に「?」がたくさん浮かぶ。 「五丁目しゃまには更紗しゃまのサンタに合わせたトナカイさんでしっ」  みんなは楽しそうにしているが、私の渡された衣装は明らかに茶色いだけのただの全身タイツだ。 「ほい!ツノと赤鼻」 更紗やんが呆けている私にツノと赤鼻を装着させ、あれよあれよと外でパジャマを脱がされ、、、ん?脱がされ……? 「きゃー!!えっちぃ!!」 思わず叫んだが……これって逆じゃない? 「気にしなーい」 だからどうでもいい心の声は聞かないで!! 「完成でし!五丁目しゃま、お似合いでしよ」  着替えさせられている時、麗夢たんが影から見て笑ってた。みんなは満足気だが全身タイツにツノと赤鼻姿の私はどうすりゃええの? 「……この姿で冒険にでも行って冒険書でも書けってことですか?」 変質者として捕まるわ!! 「違いましゅよー」 「チョメさんはこの白紙の本に、これからみんなで作る思い出を書き綴って本にしてほしいの!」 良かった、こんな全身タイツで冒険の書を書けって言われたら流石に嫌だ。 「……何故私が?」 「今までのは違う人が担当してたし。……それにチョメ様、『魔法少女モノ書きたい』って言ってたから」 確かに言ったけど、……魔法少女はどこにいる?そんな疑問が顔に出ていたのだろうか、三人がいたずらっ子のようなニヤニヤした笑顔で無言で空を指さした。
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