12-勉強会-

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 室内は日射しが遮られ、空調も効いているためとても涼しかった。科学の進歩に改めて感謝の気持ちが湧き起こる。  そして、いつものようにみんなでカレーを食べた。今日のカレーはいつもより少しピリ辛だった。  本堂には和気藹々とした談笑で満ちている。私はそれを聞きながら、満腹になったお腹を休めていた。  すると、真条さんの声が本堂に響き渡った。  「一泊二日、勉強会に参加する方は私まで!!日帰りでも大丈夫ですので、ぜひ参加してください~」  そう言って、資料を隅のホワイトボートに貼った。  勉強会は毎年行われていて、彼の講義で仏教を勉強学ぶ。また、バーベキューや花火も恒例で、壇徒さん同士の親交を深めることのできる行事だ。  高校生の時は、部活があったり単にめんどくさかったりと参加しておらず、中学生の時に一度しか参加した記憶がない。  今年は参加してみようかな。  私はホワイトボードの横に立つ、半袖短パンで青いタオル頭に巻いた彼に声をかけた。  「勉強会、参加したいです。」と言うと、彼は「おお~!!そうかそうか!!分かりました!!」と嬉しそうに言い、早速、名簿に私の名前を記入した。  彼によって書かれた私の名前に見とれる。私も下手な訳ではないし、どちらかと言えば上手い方だ。それでも、彼には敵わない。  男性らしい豪快さのある達筆で記された私の名前を見ると、少しだけ胸が高鳴った。
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