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その日の夜、バラエティーのテレビを眺めながら壇徒のおばちゃんたちから貰った煎餅を食べて、母に勉強会泊まるかと尋ねた。
すると母は、「え~!?私は泊まらないわよ。乙女は色々と大変なんだから!!」と、瞳をキラキラと輝かせ、両頬に手をピタッと当てて年甲斐もないポーズをした。
もう五十七だろと冷たい視線を送ると、「そんな冷たい目で見ないでよ~!!」と今度は膨れ面だ。
「なに、いずみは泊まるの?」
そう聞かれ、暫く考えてみたが答えが出なかったので「... 悩み中。」と言うと、母はたいそう驚いたようだった。
「え~!?泊まるったって、男の人しかいないでしょ~。みんなで雑魚寝だろうし。お風呂だってあるし、メイクなんか出来ないよ?」
「でも、夏海さんが毎年来てるくらいには、大丈夫じゃない?」
私は殆ど無意識に、私自身を納得させると同時に、自分が泊まることを母を説得していた。
母は「確かにそうね~。まあ、いずみはまだ若いし、好きにすればいいじゃない~。」と言い、「私は絶対に泊まらないけどね!!」と付け加えて、麦茶を流し込んだ。
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