1-お寺-

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 彼の運転は、とても荒い。  狭い道も猛スピードで走らせるから、こちらは内心冷や冷やだ。  田舎で人は少ないと言っても、角から誰が現れるのかわからない。  いろんな意味でドキドキしながら、私は初めての助手席を堪能した。  「大学、楽しいか?」  「ええ、楽しいですよ。」  実は大して楽しいとも思っていないが、話を合わせるために適当に返事をした。  それからは、授業やサークルの話をして過ごした。  大学と言えば、彼はとても頭がいいと噂で聞いていた。  超難関国立大学を目指していたけれど、二浪して難関私立大学へ通っていたらしい。  ちなみに、私は彼の卒業した大学も受験したが、失敗した。  そのことを話したときも、彼は私の顔を覗きこんで「なんだなんだ~?俺の後輩にはなれなかったか~」と私をからかった。  彼は、案外デリカシーがない。  
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