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彼の運転は、とても荒い。
狭い道も猛スピードで走らせるから、こちらは内心冷や冷やだ。
田舎で人は少ないと言っても、角から誰が現れるのかわからない。
いろんな意味でドキドキしながら、私は初めての助手席を堪能した。
「大学、楽しいか?」
「ええ、楽しいですよ。」
実は大して楽しいとも思っていないが、話を合わせるために適当に返事をした。
それからは、授業やサークルの話をして過ごした。
大学と言えば、彼はとても頭がいいと噂で聞いていた。
超難関国立大学を目指していたけれど、二浪して難関私立大学へ通っていたらしい。
ちなみに、私は彼の卒業した大学も受験したが、失敗した。
そのことを話したときも、彼は私の顔を覗きこんで「なんだなんだ~?俺の後輩にはなれなかったか~」と私をからかった。
彼は、案外デリカシーがない。
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