1-お寺-

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 話しながら、私は彼の方をチラ見した。  ハンドルを握り、前を見る彼。  しかし、あまりジロジロと人の顔を見るのは得意ではないため、ほんとうに一瞬しか見れなかった。  視線を下ろすと、飲みかけの缶コーヒーと、彼の裸足のサンダルが見えた。  助手席は、あまりいいものではないな。  彼のことをあまり直視できない助手席は、案外もどかしかった。
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