プロローグ

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プロローグ

 ああ、私はこの人が好きなのかもしれない。  高校三年の夏。  祖母の葬儀が執り行われるなか、そんなことを考える私はかなり不謹慎だ。    ごめんね、ばっちゃん。  心の中で祖母に謝りながらも、私の目は彼を追うのに夢中だった。  法衣を身に纏って、独特な抑揚でお経を唱えるその後ろ姿は何度も見てきたハズなのに、どうして今こんなことを思ってしまったのかと不思議に思った。  それに、私は今18才。  彼の確かな年齢は知らないけれど、かなり年上のはずだ。それに、背も低い。一七〇と女子の中では高身長な私と並ぶと、その低さは一目瞭然だ。一六〇くらいだろうか。
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