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夫 喜一が帰ると屋敷の電気がついていない。ドアを開けても出迎えがないことに不振に感じた
「おい絹代ー美香ー」
薄暗い廊下を進み 薄明かりが見える武夫の部屋のドアの前で絹代がぼーと立っていた
傍らに娘が彼女のスカートの裾をつかんで指をくわえている
「どうした?一体」
絶望にくれる絹代の視線の先はベビーベッドに注がれ
中では目を見開いた武夫が亡くなっていた
「…おまえ まさか」
その声に絹代は崩れるように泣き出した
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