乗客2

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二人の男は息を弾ませ 睨みあった そしてけたたましい汽笛の音とともに列車が動きだした 紺のジャケットを着た強面の男が視線をそらさずに口を開いた 「ああ列車動きだしちまったな」 舶来の白いスーツの男は 窓を眺め 「ですね」 そう答えた 「まったく大人しく捕まっとけばいいものを」 「そんなバカな真似できませんよ」 舶来の白スーツの男はポケットに手を伸ばすと 紺のジャケットの男は ああと合図し 座席に置いた手で狙いをつけた拳銃を軽く上下させた 白スーツの男は、すました顔で両手を広げゆっくりおろした 紺ジャケットの男は白いハンカチを取りだし拳銃をもった手を隠し 注意深く白いスーツの男を睨みつけた
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