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それにこの前のことも。俺はさ、俺の事を理解して、必要としてくれる人が1人でもいてくれれば、それでいいかなって思えたし、今の俺があるのはお前のおかげなんだ。ホントにありがとな。」
「そんな!そもそも先輩は周りのことは見えてるのに、自分のことはまったくですね、昔から。」
俺は少しだけ笑って、過去を思い出す。
「え?」
「後輩からは嫌われていたかもしれませんが、先輩方からは人気でしたよ。
俺、ある日部室に忘れ物取りに戻ったら先輩達が残ってて、
『やっぱり咲坂いると空気が締まるって言うかさ。
あーわかる!俺、キャプテンだけど厳しいこと言えないからすげーありがたいんだよね。
咲坂に謝りてーよ、だめなキャプテンでごめんって』
って楽しそうに語ってましたよ。
それに中学のときだって、やたら厳しい先輩いるなって思ったけど口だけじゃない選手だって、プレーが丁寧だからすぐにわかって、先輩に教わりたいと思ったから先輩のところに行ったんです。
今でも一番上手なのは先輩だと、俺は思ってますよ?偉そうですけどね。」
「・・・・・・。」
「先輩?」
話が終わっても何も返ってこないから不安になって先輩の顔をのぞき込むと
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