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だが、慌てたあげく
足を踏み外しコケてしまった。
「キャアッ!?」
ドサッと倒れ込むと
周りの社員達は、クスクスと笑われた。
「おい、大丈夫か?
佐藤…」
「は、はい。
申し訳ありませんでした」
痛い…凄く。
それに凄く恥ずかしい。
何とか書類を渡し
周りの目を気にしながら仕事をこなした。
こんな私に本当に
女優なんかになれるのだろうか?
地味と言われ周りに笑われて…。
お昼休憩になると弁当を食べてから
お手洗いに向かった。
そうすると話し声が聞こえてきた、。
「ねぇ、さっきの地味佐藤のコケ方見た~?」
「見た、見た。あれは、笑えるけど
引くわ~もう女捨ててるわね」
「だよね。薄化粧で地味。
その上、アレでは私が地味佐藤なら死ぬわ」
クスクスと笑いながら陰口を言われていた。
中に入りたかったけど入れる状況ではなかった。
酷い…そんな風に私の事を思っていたのね。
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