プロローグ。

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悔しかった。 別に好きで地味になった訳でも ドジな訳でもない。 私だって変われる者なら変わりたい。 その時 ハッとあの名刺の事を思い出した。 私…女優になれたら変われるだろうか? もう少しまともな自分になれるのだろうか? 「……。」 本当は、こんな自分を変えたいと思っていた。 ウジウジと人見知りで地味。 学生の頃もこうやって 女子に陰口を言われる事は、何度もあった。 アイドルになる事を諦めきれないのは、 その反動もあるのかも知れない。 私は、そのまま人気のない廊下に行くと 名刺を取り出した。 携帯番号も書かれていた。 変わりたい。 夢を見ていた頃の自分に 一大決心する。 そして会社から帰ると 私は、望月さんという人に電話した。 自分の気持ちを伝えると望月さんは、 『変わりたいか…なかなか面白い決心だな。 まぁいい。 それなら今すぐにウチの事務所に来い』 「今からですか!?」 時計を見るとすでに19時になっていた。
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