プロローグ。

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私には、小さい頃から夢があった。 昔テレビに観た歌番組。 キラキラな衣装を着て華やかなステージで歌う アイドルになること 私もいつか、あんな素敵な アイドルになりたいとそう思っていた。 だが、人生そんなに甘くはない。 飛びっきり可愛い訳でも歌が上手い訳でもない。 むしろ人見知りであがり症のため 人前でまともに歌える訳もなく 受けたオーディションは、全て落選。 今まで一次審査で落ちること18回目。 何とか二次審査に受かっても落ちた回数・2回。 結局。 年をとるだけとり 気づいたら24歳になってしまった。 現在は、地味に中小企業のOLとして働いている。 しかも、髪を1つにまとめ 眼鏡をかけて仕事をしているため周りに つけられたあだ名は…。 『地味佐藤』 佐藤が数人いるためらしい。 こんな人間が、アイドルになりたいと 誰が思うだろうか? 「おーい。 地味…じゃなかった佐藤さん。 この書類を整理しておいてくれ」 「はい。分かりました」 課長……今、地味佐藤と言おうとしたでしょ?
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