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「あ、はい。役になりきった方が
その…あがらないので…」
モジモジしながら応えた。
「女優には、その使い分けが必要だ。
役によってキャラを使い分け演じる」
「あんたは、まだ荒削りだが
基礎が自然と出来ている。
これは、生まれ持った素質だ!
なら俺が、その荒削りの部分を矯正させ
デビューまでさせてやる」
ニヤリと笑みをこぼす怪しい男。
それが社長。
望月さんとの初めての出会いとなった。
「考えておけ。
答えが決まったら連絡しろ」
言われ去って行ってしまった。
私は、その貰った名刺をボーと見つめていた。
私が…女優…?
本当に私にそんな素質があるのだろうか?
これと言った取り柄がない私に…。
翌日
会社に言ってもその事ばかり考えていた。
あの人…かなり口が悪い人だったけど
本物の社長なのよね?
でも、父親から引き継いだばかりとだと
言っていたから
まだ芸能界の事をよく理解していない可能がある。
大体女優って、テレビで観る限り
美人揃いじゃない。
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