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これ以上、嘘を突き通せない。
「まぁ、仕方がないな。
佐藤さんは、真面目だと思っていたから
非常に残念だよ」
課長は、ため息混じりに言ってきた。
その言葉は、さらにズキッと痛む。
私も真面目だけが唯一の取り柄だと思っていた。
でもそんな事はない。
「お世話になりました」
もう一度深々と頭を下げる。
そして自分のデスクに戻った。
退職届けを出したと言っても
すぐに辞めれる訳ではない。
本格的な仕事の引き継ぎや
辞めるための手続きとかあるから
大体1ヵ月ぐらいを目安に辞表を出す。
だから今日は、
通常通りの仕事をこなさないとならない。
チラッと見ると周りは、驚いてコソコソ話していた。
「……。」
結局、会社でも馴染めなかったな。
社会人になったら少しは、まともに
友人関係を築き上げたかったけど…。
パソコンの起動しながら仕事を始めた。
お昼休みも1人ポツリと弁当を食べるため
飲み物を買いに自販機に向かう。
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