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差し出された瀬戸さんの手を
すぐにとることはできない
ゆっくりと額から汗が流れる
隆:仁君、さぁ
俺を急かす瀬戸さんの声に
過剰に反応してしまう
怯えるように瀬戸さんを伺うと
口角は上がり、柔らかい表情にみえた
だが、目は強く俺を捕らえて離さない
仁:っ、ぅ
逆らうことなんて、できない
大きく震えながら
恐る恐る手を瀬戸さんに重ねる
仁:っ、ひぃ
瀬戸さんは
重ねられた俺の手を
反射的に強く握る
痛みで顔を歪ませる俺を
風呂へと引っ張って行く
手の力は緩むことなく
強くなっていく
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