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遠くへ遠くへ…
俺は裕さんと二人で逃げた
裕さんがどのような人かは分からない
ただ瀬戸さんから
逃げたかったんだ
大切な優のことを見捨てて…
結局、俺は自分のことしか考えていない
最低な人間だ
もう元には戻れない
裕さんは以前から準備していたのか
物事が滞りなく進んでいった
逃げた先は山奥の小さな集落
裕さんの知り合いが住んでいたという家に
住むことになった
家は風情があって広く
二人では寂しいくらいだ
周りは人の気配や車の音もなく
とても静かなところ
聞こえるのは虫や動物の鳴き声だけ…
自然がいっぱいで
ゆったりと時が流れている
俺たちはここで
民宿を経営し暮らしていく予定だ
ここなら瀬戸さんに
見つけられることはないだろう
優にも…
裕さんとの新しい生活が始まった
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