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兄さん達に会いに行く途中、ちょうど帰ろるところだった兄さん達と会った。
セスはそのままノインを連れて帰った。
僕も兄さんと手を繋いで家まで帰る。
兄さんは僕の手をぎゅっと握ると、しゃがんで僕に視線を合わせた。
「ゼノ、泣いたの?」
ドキッとした。なんで分かったの?
適当な答えが見つからなくて僕は黙った。
兄さんは何も言わない僕の頭を優しく撫でた。
暖かくて柔らかい気持ちになった。
「俺はゼノの兄ちゃんだから、俺がゼノを守るから、怖いものなんて俺がぶっ飛ばしてやる!だからもう泣くなよ。兄ちゃんがいるんだからな!」
ニカッと笑った兄さんを見て僕は、朝からずっとモヤモヤしていた気持ちの名前が分かった気がした。
「ありがとぅ、にぃたん!にぃたんだいすき!」
本当に大好き。僕も兄さんを守れるように頑張るよ。兄さんのために、力になれるように頑張るよ。
「おう!」と少し頬を染めて胸を張る兄さん。
わかったよ。わかったんだ。
この気持ちの名前は……『萌え』だって。
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