目覚めよブラコン

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走り込みと言っても家の周りを走るだけの簡単なものだ。 いつか立派な騎士になって家族を守るのが夢だと語る兄さんが体力作りだと始めたこと。 正直、僕は運動が得意じゃない。 足も遅いし、すぐに疲れる。 僕が家の周りを2周する頃には兄さんは5週していた。 裏口の前で2人して座り込んだ。 服の裾からチラリと見えた日に焼けてない肌を伝う汗がなんと言うか……妙な感じがした。 昨日までの僕ならきっと何も思わないし、そんなところを見もしなかったはずなのに。 きっとこれは今朝流れてきた情報のせいだ。 「2週も走れるなんてすげぇじゃん!」 ニッと笑った兄さんがグッと握った拳を向けてくる。僕も同じように拳を作って兄さんの拳に当てた。 ……なんだろう。なんて言えばいいんだろう。 すごく嬉しい。すごく嬉しいんだけどそれだけじゃないんだ。 ぜぇぜぇとまともに呼吸さえできない僕はただ兄さんを見つめることしかできなかった。
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