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母さんが僕らを呼ぶ声が聞こえて、僕は兄さんに手を引かれながら家に入った。
「おはよう、朝から元気ねぇ」
母さんはクスクスと笑いながら、今日は寝坊助な父さんを起こしに行った。
ダイニングの机の上にはヤギのミルクとじゃが芋のスープが湯気を立てていた。
それを見た兄さんのお腹はグゥゥと鳴いて空腹を訴えた。
「たくさん走ったから、おなか空いたね」
僕の言葉に少し頬を染めた兄さんは、そっぽを向き小さく「そうだな」って返してくれた。
たぶん照れてるんだろうなって思った。
その姿がなんとも……なんとも……愛らしい?
可愛い?愛おしい?
???
よく、分からないけど、
胸がきゅぅぅとして嬉しくなった。
まだ、まだこの感情の名前が見付けられない
あぁ、でも僕が兄さんを『好き』だって気持ちは変わらない。だけどそれだけじゃないみたい。
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