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「じゃあゼノ!俺はセスと用事あるからノインのことよろしくな!」
兄さんはそう言い残してセスと森の方に走って行った。
「えーと、よろしくね、ノイン?」
セスの妹の方を見ようとしたら ドン っと突き飛ばされた。
その拍子に尻もちをついてしまったけど、怪我はしてない。
見上げればさっきより酷い形相のセスの妹が僕を突き飛ばした状態で見下ろしていた。
……あれ?名前間違えたかな?ノインじゃなかったっけ?
「ノイン……ちゃんじゃなかった?」
「ノインよ」
名前を間違えたわけじゃないのに何で突き飛ばされたんだ?
わけがわからず首を傾げながら、服の土をはたき落として立ち上がる。
「あんたのめんどうを見なくちゃいけないから、にぃたまとべつこうどうなのよ!せきにんとりなさいよ!!」
子犬がキャンキャンと一生懸命に訴えるようにノインがどなる。
どうやら大好きな兄さまとの別行動が気に食わないらしい。
「ぼくもにぃさんが好きだから、いっしょだね」
「あんたなんかといっしょにしないで!わたちはにぃたまをあいしてるの!!」
「でも、それって好きってことでしょ?」
何を言ってもキャンキャンと否定されるけど、ノインを見て僕は思った。
あ、コレなんて言うか知ってる。
こういう人を『ブラコン』って言うんだって
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