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「もっともっと恋がしたいのよ~!!このまま年をとるなんてイヤよ~!!」
そこで私が魔法使いであることを彼女に話したのです。
普通のお客様なら一千万円というところで話はオシマイになるのですが、彼女は違いました。
次の日、現金で一千万持ってきましたよ。
いや~OLの人たちは結構貯めてるんですなぁ。
私は腕によりをかけて、とびっきりの魔法を彼女にかけてあげました。
「これが…私!?」
とても驚いた様子で言いました。それはそうでしょう。おまけに男性を惹きつけるフェロモンをつけて差し上げましたもの。
「すごい…素敵!!」
彼女は意気揚々と夜の街に出かけていきましたよ。
その次に彼女がこの店に現れたのは丁度一年後のことでした。
「どうしたんです?浮かない顔ですね。」
彼女は溜息を吐きながら言いました。
「マスター、恋の喜びって何だと思う?」
私は笑って答えましたよ。その道については詳しいですから。
「そうですね…例えば二人が一心同体となり、時間を共有している…そんな時ですかね。」
指を振りながら彼女は答えました、
「恋は最初の瞬間が大事なのよ。…出会いなのよ。そのあとは蛇足だわ……。とっても面倒臭くって…!それに昔の男が未練たらしくつきまとうのもうざったくてイヤ!」
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