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全てがパーフェクトな青山もお金の力には弱いらしく、少し恥ずかしそう言った。
つまり学生にお金がないのは当たり前で、そんな学生でもお金が稼げそうなのが動画投稿だと。
楓はそう言いたいようだ。
「お金が欲しいから動画投稿を、か。単純だな」
「援助交際とか私無理だし。これぐらいしか思いつかなかったのよ」
「おい女子高生っ!」
「単純だが的は得ているな。学生が一攫千金を狙うならその方法しかないだろう」
と、ここまではわり肯定的に話してきたがこれからは違う。
「だがな」と話を改めるように言うとこう続けた。
「それだけはやめておけ。絶対に後悔する」
「それは私がアンタの双子として産まれてしまったこと以上の後悔なのかしら?」
「思っていたとしても本人に言わないでくれるっ!?」
人が優しさのつもりで止めたのに、さらっと酷いこと言ってきたよ!
こんな一方通行な家族愛ある!?
「なんでやめたほうがいいのよ」
「楓みたいな思考の奴はごまんといるわけでして。そんな大人数の中、実際にお金を稼げるのは一握りなわけよ」
「確かに。誰もが人気になれるわけじゃないしな」
「その一握りに楓がなれると思うか?顔も胸も性格も平均以下のお前が」
「ゴミ以下の童貞が偉そうね。手始めにアンタの土下座動画を投稿するからやりなさい」
「ま…まぁ、落ち着けって」
人気のない動画投稿者の末路なんざ誰でも思いつくことだ。
誹謗・中傷にネタ素材に個人情報の特定とか。
そんな目に合おうとしている家族を、みすみす見捨てることなんて俺にはできないね。
だからこうやって止めに入っているのさ。
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