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「と、いうことで準備はいいでしょうか」
そういうわけで横に並んだ俺と青山、机を挟んだ対面に楓と言う構図が完成だ。
俺と青山は視聴者みたいなもので、こうすれば少しは雰囲気出るんじゃないかという楓の提案だった。
「あ、ちょっと待って。動画は商品のレビューにしようと思ってるからなにか欲しいわ。代用品として」
「代用品かぁ。あたし何か持ってたかな」
「わかった。ちょっと青山、楓にパンツでも貸してやってくれないか?」
「無理に決まってんだろ!何をレビューさせようとしてんだ!」
「そうよ、無理に決まってるわ。みのりのデカ尻サイズのパンツレビューしたところで対象者が少なすぎるわ」
「ほっとけっ!」
いろいろ一悶着があったところで代用品は青山の長い後ろ髪を止めていた変哲のないリボンに決定した。
代用品として渡したものの、実際にこのリボンをレビューするとのことらしい。
レビューの対象が難しいような気もするが、さて、楓はどんなレビューをしてくれるのだろうか。
否定しておいてなんだか少し楽しみだ。
「…よしっ、いけるわ」
「じゃあいくぞー。よーい、アクション」
パンッ、と軽く手のひらを合わせたところでいよいよレビュー動画の開始だ。
「はーいっ、みなさんこんばんわっ!楓チャンネルのお姫様、かえりんですっ!」
「自分、嘔吐いいっすか?」
開始から2秒でギブアップだった。
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