12人が本棚に入れています
本棚に追加
「ゲロじゃなくて血を吐かせてやるからこっち来なさい」
「いや、ちょっと待てって…今のってマジでやってたの?ネタだよね?小粋なギャグだよね?」
「大マジに決まってるでしょ。見せろって言ってきたのはそっちじゃない」
わ…悪ふざけ感が一切見受けられない…
これはあれだ、イタ過ぎておもちゃどころか危険物扱いされて検索しちゃいけない言葉にされるやつだ…
「ちゃんと挨拶はしたし自己紹介もした。どこがいけないのか言ってみなさいよ」
「どこかって…なぁ?」
と、助けを求めるように隣にいた青山に視線を向ける。
案の定、青山も開幕から衝撃を受けていたようでその口角は引きつっていた。
「えっ!?ああ、まぁ…えっと…うん」
一切フォローになっていない相槌。
だがその気持ちを知る俺に青山は責められなかった。
「もうさ、諦めて終わりでいいんじゃない?援助交際してみろよ、きっとおじさんも優しいって」
「ムカつくけどアンタがそれほど強い衝撃を受けたのはよくわかったわ」
「身内だから余計だよね」
「身内だからかぁ…じゃあこうしましょう」
ぽんっ、と手に拳を当てる楓。
これほどわかりやすく閃いた様子の人はなかなか見ない気がする。
最初のコメントを投稿しよう!