娘は巻き込まれる

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男の口がぽかんと開いた。驚愕に目が丸くなる。 「お前、これは」 「初めてにしては上出来だなわたし!!」 わたしは盛大に自分をたたえた。 初めてでこれって凄い。 「虫とか出現させちまうかと思った! いやー、良かった良かった!」 「……」 さっすがわたし! やれば出来る子リヤーナ14世!! 男の目がじとっとわたしを見る。 「もしそうなっていた場合どうしたんだ?」 「え?虫をとって再挑戦」 「……」 当たり前だろと答えれば何か言いたげな沈黙を頂いた。 何故だ。 「まぁ、成功したから良かったよな!」 「王族と判断した者にこの仕打ちとは…」 「いや、だってそのままじゃヤバかったじゃん」 マジで死にかけだったぜ、おたく。 「否定はしないが、何故助けた?魔女」 「あ、やっぱその結論に行き着くか。 そうそう、わたし魔女ースラムの魔女ー」 「質問に答えろ」 「命の恩人にこの仕打ちとは…」 「恩を売るためか?残念だが俺に恩を売っても何も返ってはこないぞ」 「うげ、あんたもしかしなくとも厄介な事情もち? いや、血まみれで死にかけだったんだからそりゃそうか」 やっぱツイてないなわたし!!
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