2. 九王沢さんと付き合うには

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2. 九王沢さんと付き合うには

 九王沢さんと付き合うことになった年末から、もう夏だ。僕たちはこんな調子で、あのもう半年ほど、カップルとしての生活を営んでいる。  まさに異星人レベルのお嬢様である九王沢さんを大向こうに、上手くいっているかに見えるが、この半年はちょっとした騒動だった。と言っても、九王沢さんと僕との間には、特に何の問題もない。  ひとえに対外的な問題だ。そもそも九王沢さんが僕の彼女、と言う認識が社会的に受け入れられる段階に至るまでは、かなり苦難の道のりがあったのだ。 「え、付き合っちゃったですか?て言うか何付き合っちゃってるんですか?」  と、学食のBランチの肉団子をつまみながら、眉をひそめる依田ちゃん。  あのクリスマスが終わり、ある昼下がりのことだ。  依田ちゃんが仲人さんなので、一応デートの首尾についてご報告をしたら、予想外も予想外、驚くほどのしっぺ返しである。  なんとは言え、まさか、僕と九王沢さんを結び付けたクリスマスデートをセッティングした依田ちゃん本人から、遠慮会釈なしのバッシングを受けるとは思わなかった。 「いや、それ話おかしくないか?お前が付き合えって言ったんだろ…?」 「それは、クリスマスの一夜だけの話ですよ。九王沢さんにどうしても、って言われたから。え、て言うか正気ですか!?先輩、九王沢さんと本気で付き合えると思ってます?」 「思ってなかったよ。でも向こうがその気なら、しょうがないだろ」 「しょうがないってあーた」  依田ちゃんが何か言いかけた瞬間だ。 「おいっ、九王沢さんだっ!」
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