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僕を愛してるって言った君は。
嘘だったのかい?
すべては悪魔を倒すため?」
すると、彼女は悲しそうな顔をして言った
「…ごめんなさい。
私は、
あなたを愛してない。」
「そんな。」
「でも、どうかわかってほしいの。考えてほしいの。
私がいなくては、世界がどんなに不幸になるかを。
正義のためには、犠牲が必要なの!」
神様の言い分はわからないわけじゃなかった。
でも僕は、今までの神様との、いや
彼女との想い出を思い出して、あれがすべてウソだったんだと思うと、どうしても。
「…ダメだ。僕には耐えられない。君を許すことはできない。」
悔しさで、目にはたくさんの涙がたまった。
「君にとっては、僕は大したことのない人間かもしれないけど。
僕にとって、僕は一人しかいないんだよ。
僕には、君こそが悪魔だ。」
霞んだ視界の中で見た、彼女の絶望した顔は、今まで見たどんなものよりも美しかった。
…そうか。
僕はようやく、自分の本当の姿に気が付いた。
「神様。今度は僕が"悪魔"になるよ。」
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