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少し前から避けられているような気がしていて、これが兄離れってやつかと、呑気にそんなことを考えていた。
この胸の疼きは、反抗期を迎えた子供に対する親の気持ちと、同じ種類のものだと思っていた。
俺もしっかり‘’お兄ちゃん‘’になってたんだなと、密かに喜びさえした。
「伊織の妹さん、可愛いね」
麻理は俺の部屋を見渡しながらそう言った。
妹という言葉に初めて、ちいさな違和感を覚えた。
俺の腕にまとわりついていた麻理の手が、腰に回る。
俺を見上げ、それから甘えたように瞼を閉じた麻理に、いつも通り自分の唇を落とした。
菜乃の唇はどのくらい柔らかいんだろう。
自然と浮かび上がったその思いに驚いて、咄嗟に麻理から顔を離した。
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