馳ぜて 溶けて 落ちる

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「伊織、どうしたの?」 麻理が、焦燥感に覆われた俺の顔を心配そうに覗き込む。 「なんでもないよ」 俺はそう言って、麻理をベッドの上に座らせ、もう一度唇を重ねた。 舌を入れると、麻理もそれに応えて自身の舌を絡めてくる。 短いスカートから露になった、彼女のすらりとした足に手を這わせた。 瞼の裏に現れたのは、ゆらゆらと揺れるグレーのプリーツスカートと、そこから伸びる菜乃の柔かな太股の線だった。 強引に、麻理をベッドに押し倒した。 俺を見上げた麻理の瞳は、少し不安げな色を宿している。 「‥‥‥‥ごめん。ちょっと頭が痛くて」 そう言って、俺はベッドに座り直して頭を抱えた。
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