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「悠待ってぇ~!!」
偶然なのか一番高い位置で止まりおりれない玲二。
悠はため息をつく。
「お前…
それくらいおりろよ…」
スタッフに迷惑がかかると思い抱き上げ横抱きにするとそのまま歩き出す。
いわゆるお姫様だっこ。
恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にし無言のまま悠にしがみつく。
そのままメリーゴーランドの出口を抜け外に出る。
そしてゆっくり地面におろす。
顔を真っ赤にしたまま悠を見るが言葉が出てこない玲二。
「どうかしたか?」
「人前でお姫様だっこなんて…」
「荷物みたいに肩にかつぐ方が良かったか?」
「荷物じゃないもん!」
「似たようなもんだろ?
乗り物に乗るたびに何かしらある…」
「う…
言い返せない…」
頬を膨らませそっぽをむく玲二。
ため息をしつつ手を差し出す悠。
「次は何乗るんだ?」
「コーヒーカップ乗りたい…」
「…真ん中回さないなら乗ってやる…」
「うん…」
玲二は悠の手をつかみゆっくり歩き出す。
「悠…」
「なんだ?」
「ごめんなさい…」
「次から気を付ければ良い…」
「うん…
ねぇ悠…」
「なんだ?」
「ありがとう…」
「気にするな…」
二人はほんの少しだけつなぐ手に力を込め寄り添いコーヒーカップに向かった。
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