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乗ってから五分もたっていないだろう。
玲二の顔色が徐々に悪くなっていく。
「玲二…
だから言っただろ…」
「う…
ゆっくりだから大丈夫かと…」
「メリーゴーランドで下りれなかった奴が言う台詞ではないだろう…」
「反論出来ません…」
「…そのまま動くなよ…」
悠はゆっくりと立ち上がると玲二の横に座った。
少し揺れはしたが大きく傾くほどではない。
そして玲二の頭を抱き寄せると自分の膝に乗せる。
いわゆる膝枕状態。
これには顔色が悪かった玲二も一瞬で耳まで赤くなる。
「これなら外見なくてすむだろ…」
「そうだけど…」
「大人しくしとけ…」
「うん…」
優しく頭を撫でられる。
昔から悠は優しかった。
玲二が何かを失敗しても修一と喧嘩してもフォローし慰めてくれた。
「ねぇ悠…」
「なんだ?」
「好きだよ…」
「ライク的な意味なら俺もだ…」
「違う!
そうじゃない!」
撫でられていた手を掴み上半身を起こす。
そして悠をじっと見つめた。
「僕の好きは愛してるの好き!
悠が大好きなの!」
「玲二?」
「悠は僕をどう思ってるの?
恋愛対象にはならないの?」
「俺とお前は幼馴染み…
それだけだ…」
「悠…」
玲二は悠の胸に顔をうずめる。
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