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「好きな子がいるんだ…」
「え!?」
玲二は驚いて悠の顔を見た。
「ずっと昔から好きで…
今でも好きで…
その子の事を考えると気が狂いそうになる…」
「悠…」
「俺の愛情が歪んでいるのは自覚している…
だからこそ相手には告白はしない…」
「そんなに好きなの?」
「あぁ…」
悠は玲二から目を反らし外を見た。
観覧車の頂上までもう少し。
「そんな子には負けない…」
「玲二?」
「僕だって悠が好きなんだ!
ずっとずっとずっと好きなんだ!」
「玲二…」
「昔からずっとずっと好きだったんだ…
諦めたりなんかしない!」
「でも俺は…」
「奪うから…
その子から悠を…
悠の心を…」
玲二は膝枕の状態に戻ると悠を見上げた。
「覚悟して?
絶対に悠を落としてみせるから!」
「諦めろって言っても聞かなそうだな…」
「当然でしょ?
悠の隣は誰にも渡さない…」
その真っ直ぐな目を見て悠はため息をついた。
そして優しく頭を撫でる。
その目はとても優しく玲二を見ていた。
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