こんなにこんなにスキナンダ

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. 「柊様。 台車をお持ちしました。」 「ありがとうございます。」 マンション付きのコンシェルジュが大型の荷物を運ぶ台車を持ってきた。 酔っぱらいを運べるものはないかと聞くと台車を貸し出してくれたのだ。 前回玲二を運ぶ時は背中に背負ったが寝ている人を運ぶのは大変だと言うのを学習した。 マンションの前に一台だけ止まっていたタクシーに声をかける。 「先ほど電話を貰いました柊原です。」 「あぁ、いきなりすいませんでした…」 「いえ… とりあえず料金清算お願いします。」 「あ、ありがとうございます。 ◯◯◯◯円になります。」 「カードで…」 「お預かりします…」 運転手とそんな会話を交わしつつ後部座席を見ると気持ち良さそうに爆睡する玲二がいた。 清算が終わり玲二をタクシーから下ろし声をかけるが起きる気配はない。 「台車に御乗せしますか?」 「自分がするので台車支えるのお願いします…」 「わかりました。」 ため息を付きながら台車に乗せ、その台車をガラガラと押していく。 夜中のため人の行き来がなく誰にも見られる事なく部屋の前まで来れた。 「手伝ってもらってすいません…」 「いえいえ。 これも仕事の一部ですから。」 「これで何か飲んでください。」 「いつもありがとうございます。」 コンシェルジュのポケットに小さい封筒を入れ、ついでに台車も撤収してもらう。 またため息をつくと玄関を開け今度は玲二をお姫様抱っこの状態で中に入る。 ベッドまで運ぶと上着だけ脱がせベッドに寝かせ布団をかける。 未だに寝息を立てる玲二に呆れつつも隣の部屋に移動する悠。 (あ、修一にメールしとこ) ソファーに座りスマホをいじる悠。 悠の活動時間はまだまだこれからだ。
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