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ティッシュで拭いてからウェットティッシュで拭いて丁寧に掃除した後パンツとズボンをはき恐る恐るドアをノックする。
「ゆ、悠…
掃除終わりました…」
「入れ…」
「失礼します…」
なぜか他人行儀になりつつ隣の部屋に続くドアを開け中に入る。
こちらに背中を向けソファーに座りパソコンを触っている悠が見えた。
ゆっくり近付き悠の真後ろまで来るとパソコンの画面がはっきり見えた。
玲二がオナニーしている動画がうつっていた。
「ななななんで!?」
「風呂とトイレと洗面所以外は防犯カメラがついてる…」
「まさか前回のアレも…」
「録画されてた…
コピーして渡そうか?」
「い、いらないから!!」
「とりあえずスマホ寄越せ…」
「は、はい…」
大人しくスマホを渡す玲二。
悠は慣れた様子で玲二のスマホをいじる。
「原因はこれか…」
ため息を付きながら玲二にスマホを渡す。
「玲二…
お前には教えてないのになぜ俺の住所が登録されてるんだ…
しかもワンタッチで出せるところに…」
「えっ?
あっ、引っ越しの時に分かりやすいようにしてもらったんだよ…
住所は修一教えてもらった…」
「何で引っ越しに俺の住所がいるんだ…」
「それは…」
「なんだ?」
「悠の近くに引っ越ししたくて…」
「なに?
俺のストーカー?」
「そうじゃない!
す、好きな人の近くに住みたくて…」
悠は溜め息をついた。
その反応に玲二はうつむく。
「俺とお前は幼馴染みだ…
そう言っただろ?」
「でも僕は悠が好きなの!」
「玲二…
諦めろよ…」
「やだ!」
「勝手にしろ…」
悠はパソコンの電源を落としテレビを見る。
玲二を一切見ずに。
少しだけ嬉しそうに笑った悠の顔は玲二には見えなかった。
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