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渋々、布団に座ると、皆、仕事の打ち合わせをしながら寝転んでいた。時間も場所も無いので、合間に話し合っておくしかない。
「兄さん、たまには北京ダックもいいのではないですか?」
「いいかもしれないけど、これだけの人数の分量を焼けないでしょ」
まあ、持ち歩けるように、ニラパイと花巻蒸しパンも作っておこう。他に揚げ団子も作って、皆に持たせておこう。
「エビマヨも好きだけどな……海老が高いよね……」
料理は腕も関係するが、手間を惜しまず料理する事も大切になる。しかし、材料にも左右される。
「まあ、時間があったら、餃子を作りましょうね」
新悟が俺の頬に手を伸ばしてくると、引き寄せてキスしていた。キッチンには扉があり、今は閉まっているので、見られた心配はない。
「……俺は、兄さんの子供だったら、必死で育てますよ。もう全力で父親になります」
だから、高原の息子は誘拐された可能性もあるという。
「でもさ、人形に固執しているということは、本物を手に入れていないということではないの?」
「それも、一理ありますね」
きっと、想定していない何かが起こり、歯車が狂い始めてしまったのだ。
「寝ましょう」
寝ると言っておきながら、新悟は俺の首にキスしていた。
「おやすみ、新悟」
新悟は、俺の服を脱がせていて、胸から腹まで舐めていた。新悟の舌は明海に似ていて、サラサラとしていて、気持ちがいい。
「サラサラ?」
こんなに乾いた舌があるのかと横を見ると、明海が俺を舐めていた。
『全く……世話のかかる奴だな……内臓も修復しておいてやるよ』
明海は、俺が新悟に抱かれた事に気付いていた。
『菩薩はな、迷う者が、欲しくて欲しくて渇望してしまう何かを持っている……俺には光に見えるが、新悟には兄、他の人には温もりと形を変えて存在するから厄介だよ……』
明海が舐めていてくれるが、新悟は何をしているのだろうかと、横目で新悟を見ると爆睡していた。
「おやすみ、新悟」
新悟も疲れているのだろう。
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