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「そりゃ、裏切られた人からすれば呪いたくもなるよな
俺だったらこのパンプスで頭殴ってると思う」
「あら、物理的ね」
そう言って、怪談を読み終えた俺にクスクスと笑うみつ。
現在、俺とみつは日用品を買う為にショッピングモールへやって来たのだけれど、日用品を買う前に俺はある店を探して、みつに少し待っててくれと告げた。
「えーと………これでいいか?」
目の前にズラリと並ぶ代物、色々と迷いかけたがあまりみつを待たしたくなくて、俺はすぐさまレジへ持っていき店員にすぐ使用するからと言って、値札を切ってもらった。
「ほら、やるよ」
「え、これって………」
待っていたみつに、先程購入したばかりの物を渡す。
購入したのは白いスニーカーで、みつは俺とスニーカーを交互に見ながらも受け取ってくれた。
「その………ヒール高い靴だと荷物運ぶの大変かと思って………
俺、そこまでセンスないからあれだけど………」
そう言えば、みつは一瞬目を丸くしたもののすぐにふわりと笑って、その場で靴を脱ぐとスニーカーに履き替えた。
「どう?似合うかしら」
そう言って、目の前でクルリと回るみつ。
品の良さそうなワンピースに、スニーカーは少しアンバランスに感じたけど、嬉しそうな顔のみつに俺は似合うよと告げたのだった。
一つの物語が終わる度に、日常は進む。
彼女の怪談は、どことなく味を感じた………。
2食目、完食。
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