564人が本棚に入れています
本棚に追加
/472ページ
いきなり我が家にやってきたみつの為に、日用品を買いにショッピングモールへやってきた俺とみつ。
粗方買い終わり、最後に寝具コーナーへやってきて、毛布やら何やら選んでいると、みつは何故か枕コーナーを素通りして、近くにあった薄っぺらい座布団を手にとっていた。
「あれ?みつ、枕持ってた?」
「いいえ、枕は持ってないわよ」
「え、じゃあ何で座布団?」
そう聞く俺に、みつは少し不思議そうな顔をしつつもこう答えてくれた。
「だって、私………
枕あんまり使ったことないもの」
正確に言えば、あんまり布団で寝たこともないかもと言い出すみつに、思わずハァ!?とすっとんきょんな声が出てしまう。
聞けば、9歳までは俺の家にいた時間が多かったから布団で寝ていたけれど、引っ越した先でみつの寝具は全てなく、仕方なくタオルを毛布がわりにしたり座布団を枕がわりにして寝ていたらしい………。
大方捨てたのは、母親か柚月だろう………思わず舌打ちをしそうになったけれど、俺はグッとそれを我慢して店員を呼んだ。
「すみません、枕選んでやってください
出来ればめっちゃ快眠できるやつで」
俺の発言に、笑顔で了承する店員と若干戸惑った顔をするみつ。
財布の中身を確認しつつ、俺は色々な枕を試すみつを眺めるのだった………。
最初のコメントを投稿しよう!